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萩原文博はぎはらふみひろ

「日産 セレナ」ファミリーに大人気。その支持される理由とは?

「日産 セレナ」ファミリーに大人気。その支持される理由とは?
「日産 セレナ」ファミリーに大人気。その支持される理由とは?

一時の勢いはないにせよ、依然2リッタークラスのミニバンが日本のファミリーカーの代表であることは間違いない。その激戦区で常に先頭を走り続ける日産セレナには代々引き継がれている「人気の秘密」がある。先進技術「プロパイロット」も加わり盤石に見えるセレナに死角はないのだろうか。

ミニバン激戦区の最新モデルがセレナ

ファミリーカーの定番モデルと言えば、多くの人がミニバンを思い浮かべるでしょう。そのミニバンの中でも最も人気が高いのが2Lクラスと呼ばれるカテゴリー。代表的車種のトヨタ・ヴォクシー/ノア/エスクァイア、日産・セレナ、ホンダ・ステップワゴンなどは新車登録台数ランキング上位の常連となっています。

その中で最も新しいモデルが2016年8月に登場した5代目セレナです。ミニバンとしての基本性能に加えて先進の安全装備を採用し、発売以降高い人気を誇っています。ここではミニバンで最も人気の高い2Lクラスで存在感を示しているセレナの魅力を紹介します。

ミニバン激戦区の最新モデルがセレナ

大きなボディで「ミニバンといえばセレナ」を定着させた3代目、継承した4代目

1991年に初代モデルが登場したセレナですが、人気モデルとなったのは2005年に登場した3代目セレナからです。シフト位置をコラム式からインパネ式に変更し、ホイールベースをクラス最長の2860mmとすることで、ライバル車より広い室内空間を実現し人気となりました。

大きなボディで「ミニバンといえばセレナ」を定着させた3代目、継承した4代目

2010年に4代目セレナがデビュー。搭載するエンジンの排気量は従来の2Lのままですが、直噴化し効率化を実現したことで、低燃費と高出力を両立させました。また、小出力のECOモーターを搭載したスマートシンプルハイブリッドと呼ばれるシステムを採用。発進時のアシスト機能やアイドリングストップ時の電力供給を行うことで、スムーズな走行と低燃費に寄与しています。

大きなボディで「ミニバンといえばセレナ」を定着させた3代目、継承した4代目②

大きなボディで「ミニバンといえばセレナ」を定着させた3代目、継承した4代目③

5代目も実寸以上に大きく立派に見える

現行型となる5代目セレナは2016年8月に登場。優れたパッケージングとデザインによって3240mmの室内長そして1545mmの室内幅は相変わらずクラストップの数値となっています。さらにAピラーのスリム化やメーターデザインの変更によってドライバーの広い視界を確保したのも特徴となっています。

5代目も実寸以上に大きく立派に見える

3代目以降のセレナの人気を支える秘密は実寸以上に大きく立派に見える外観でしょう。この点で5代目となる現行型も伝統を着実に継承しています。実はライバル車とサイズ的にはほとんど同じなのですが、どことなく上級ミニバンのエルグランドやヴェルファイアを思わせる顔立ちや、ボディ後半部分を絞り込んでいないために、「立派なミニバンを買ったなあ」とユーザーに思わせる巧みな外観デザインといえるでしょう。

5代目も実寸以上に大きく立派に見える②

未来をわかりやすく実感できる「プロパイロット」

そして現行型セレナのトピックスが同一車線自動運転技術の「プロパイロット」です。このプロパイロットは高速道路などの自動車専用道路において、ドライバーが設定した上限車速(約30〜100km/h)で先行車との車間距離を一定に保ってくれるのとともに、車線中央を走行するようにステアリング操作の支援を行い、ドライバーの運転をサポートするという機能。ミニバンとしては世界で初めてセレナが採用した先進安全運転支援システムです。

前を走るクルマが止まるのに合わせて自分のクルマも停止、発進するとそれに合わせて動き出す様はわかりやすく未来感があります。高速道路限定ですが多少のカーブなら自動でステアリングが動くのも(安全のため手を添えるのはマストですが)、これまた最初は感動するでしょう。前のクルマとの距離を取りすぎるあたりは改良の余地がありますが、今後の進化に期待です。

未来をわかりやすく実感できる「プロパイロット」①

未来をわかりやすく実感できる「プロパイロット」②

未来をわかりやすく実感できる「プロパイロット」③

未来をわかりやすく実感できる「プロパイロット」④

また、ガラス部分だけの開閉が可能で、狭い場所でも荷物の積み降ろしがしやすいデュアルバックドア、足を動かすだけで開閉できるハンズフリーオートスライドドア、そして様々なアレンジが可能な2列目シートなど、セレナを購入するファミリー層を考慮した利便性の高い装備を満載しています。室内空間はクラス最大のセレナですがステップワゴンほど低床にはこだわっておらす、乗るときにはドアとフロアに段差があります。人によっては気になるポイントかもしれません。

未来をわかりやすく実感できる「プロパイロット」⑤

平均的な燃費は今後ウイークポイントに?

搭載するエンジンは廉価グレードのセレナSは2Lガソリンエンジンとなりますが、その他のグレードは最高出力110kW(150ps)を発生する2L直4ガソリンエンジンとモーターを組み合わせたSハイブリッドシステムを搭載しています。このハイブリッドはトヨタのそれとは異なりモーターやバッテリーは非常に小さいものが使われているので、燃費や動力性能は特筆すべきものではありません。JC08モード燃費は15.0〜17.2km/Lと平均的な数値です。

今後、ステップワゴンに本格的なハイブリッドが追加されますので、燃費は現行型セレナの数少ない、しかしちょっと見逃せない弱点になるかもしれません。

平均的な燃費は今後ウイークポイントに?

ライバルもマイナーチェンジで追撃体制を整える

それではセレナをライバル車と比較してみましょう。トヨタ・ヴォクシーはこのクラスで最も多い販売台数を記録している車種です。2014年に登場した現行型は2017年7月にマイナーチェンジを行い、外観のデザインを変更しました。搭載するパワートレインは2Lガソリンエンジンと1.8Lガソリンエンジン+モーターのTHSIIと呼ばれるハイブリッドシステムの2種類。セレナ同様にエアロパーツを装着し3ナンバーサイズとなるシリーズを設定しています。

マイナーチェンジを行ったものの設計の古さは先進安全装備や室内装備の点で隠しきれません。とはいえ兄弟車であるノアやエスクァイアを加えると堂々の販売台数です。やはりハイブリッドの好燃費がユーザーから支持されているのでしょう。

ライバルもマイナーチェンジで追撃体制を整える

現行型のホンダ・ステップワゴンは2015年4月に登場しました。大開口のリアゲートに横開きが可能なサブドアを備えたワクワクゲートが特徴です。搭載するのは最高出力150psを発生する1.5Lターボのみですが、まもなく待望のハイブリッド車が追加される予定です。ステップワゴンもスタンダードモデルに加えて、スポーティなスパーダというモデルの2種類から選ぶことができます。

このクラスの先駆者であり低床フロアや3列目シートの床下収納など、走りや室内空間の工夫ではセレナを脅かす存在ですが、燃費の問題とやや奇抜なスタイルが災いしたのか、今ひとつ販売台数は伸びていません。ハイブリッドモデルが追加される今後に注目です。

燃費はハイブリッドのヴォクシーが一歩リード

JC08モード燃費はセレナが15.0〜17.2km/L、ヴォクシーは14.8〜23.8km/L。そしてステップワゴンは15.0〜17.0km/Lとなっており、ハイブリッド車をラインアップするヴォクシーがリードしています。これが販売台数に直結しているのは間違いありません。ステップワゴンにハイブリッド車が追加されるとセレナにとっては少々逆風となるかもしれません。

車両本体価格はセレナが243万5400円〜313万5240円。ヴォクシーは249万6960円〜326万9160円。ステップワゴンは228万8000円〜318万4400円です。ハイブリッド車を用意するヴォクシー。そしてホンダセンシングという先進の安全運転支援システムを標準装備するステップワゴンは300万円オーバーとなっていますが、セレナもプロパイロットを装着するとこれらと同じ水準まで価格がアップします。

人気の中心はハイウェイスター、プロパイロットもぜひ!

人気の中心はハイウェイスター、プロパイロットもぜひ!

セレナは5ナンバーサイズのセレナとエアロパーツを装着して3ナンバーとなるセレナハイウェイスターの2タイプが用意されています。グレードはS、X、G、ハイウェイスター、ハイウェイスターGの5種類で、4WD車はX、G、ハイウェイスターの3グレードに設定。グレードによる装備差はハロゲンのヘッドライトがG/ハイウェイスターGはかっこいいLEDヘッドライトにアップグレード。ハイウェイスターは専用サスペンションを採用しているのに加え,ハイウェイスターGなら16インチホイール(その他は15インチホイール)も標準装備となります。注目の先進の運転支援装備プロパイロットはSを除く全グレードでオプション設定となっています。

価格表

最後にセレナのオススメグレードを紹介しましょう。新車での購入価格以上に手放す金額に差が出やすいのがこのクラスの特徴です。その結果リセールバリューを考えるとハイウェイスターはまず外せません。ではハイウェイスターで選ぶとすれば、オススメは標準グレードのハイウェイスターです。

上級グレードのハイウェイスターGを選ぶとアルミホイールは16インチが標準となります。その結果、見た目はカッコ良く、走行安定性も向上しますが、最小回転半径は5.5mから5.7mに。そして燃費性能も17.2km/Lから16.6km/Lへと悪化してしまいます。そのほかにも装備差はあるものの、価格差は約33万円もありますから、プロパイロットをはじめとしたオプション装備を装着し安全性や利便性を高めたほうが、賢い選択となります。

立派な見た目と細かい気遣い、そして先進装備で荒波を越えられるか

立派な見た目と細かい気遣い、そして先進装備で荒波を越えられるか

伝統的にライバルたちより立派に見えるスタイルと、ファミリーを研究しつくした使い勝手の良さ、そして先進の運転支援装備「プロパイロット」。新型セレナは非常に魅力的なミニバンであり、現時点ではファミリー層にはベストの選択でしょう。しかし競争の激しいこのクラス、特に燃費という点では、同じようによくできたステップワゴンにハイブリッドが追加されるとなると、セレナもそろそろ次の一手が期待されるところです。

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※記事の内容は2017年9月時点の情報で執筆しています。

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