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「ホンダ N-BOX」新型 フルモデルチェンジしたベストセラーの中身に迫る

「ホンダ N-BOX」新型 フルモデルチェンジしたベストセラーの中身に迫る
「ホンダ N-BOX」新型 フルモデルチェンジしたベストセラーの中身に迫る

驚異の売れ行きを見せたホンダN-BOXが初めてのモデルチェンジを行なった。好評だった見た目のスタイルは柔らかさを加えられた程度で大きく変わらないが、その中身は走り、使い勝手、そして安全性能も大きな進化を遂げていた。試乗インプレッションも合わせてお届けしよう。

モデルチェンジ直前まで売れ続けた初代N-BOX

モデルチェンジ直前まで売れ続けた初代N-BOX

不振が続いていたホンダの軽自動車を一躍トップセールスへと導いた初代N-BOX

2011年12月、初代N-BOXはホンダの新世代軽自動車「Nシリーズ」の第1弾として登場しました。ダイハツ・タントが開拓した軽自動車で最大の室内空間をもつ「スーパーハイトワゴン」に属する1台です。2012年7月にN-BOX+、2014年12月にN-BOXスラッシュという派生モデルを追加し、2012年度(2012年4月~2013年3月)を皮切りに、2014年度を除く2016年度まで4回も軽自動車販売台数No.1に輝きました。さらにフルモデルチェンジ直前の2017年7月にも1万4503台を販売し、月間No.1を獲得するなど驚くほどの人気を集めたのです。

そんなベストセラーモデル、ホンダN-BOXは2017年8月31日にフルモデルチェンジを行い2代目へと進化しました。ここでは世代交代をした軽自動車のベストセラーモデルN-BOXの魅力を徹底解説しましょう。

モデルチェンジ直前まで売れ続けた初代N-BOX②

ノーマルのN-BOX。好評だった初代の路線を引き継いだデザイン

モデルチェンジ直前まで売れ続けた初代N-BOX③

リアスタイルはやや柔らかみを増した印象だ

「軽量化」がN-BOXを進化させた

初代N-BOXはクルマの骨格であるシャシーをはじめ、エンジン、ミッションなどすべてが新設計されたクルマでした。しかし今回の2代目N-BOXもコンパクトカーに負けない走行性能の実現するために、ボディ、エンジン、ミッションをすべて再び新設計とした力作です。さらにホンダセンシングと呼ばれる先進の安全運転支援システムを全車に標準装備するなど、初代以上に「ホンダの本気」を感じさせるクルマに仕上がっています。

中でも注目なのがボディの骨格に高効率のフロアフレーム構造やハイテン鋼と呼ばれる軽量・高剛性の素材を採用することで、従来モデルと比較すると約80kgもの軽量化を実現した点でしょう。一般の方には実感がないと思いますが、プロから見ると車重の軽い軽自動車で80kgの軽量化はスゴイことなのです。

コスト度外視、とまでは言いませんがお金も掛かっています。「ホンダの本気」と上で書いたのは、まさにこの部分です。この軽量化によって高い走行性能をはじめ、優れた燃費性能そして衝突安全性能を実現しています。

クルマ好きが泣いて喜ぶ「VTEC」「電動ウェイストゲート」を採用

クルマ好きが泣いて喜ぶ「VTEC」「電動ウェイストゲート」を採用①

自然吸気エンジンには「エンジンのホンダ」の象徴技術「VTEC」が投入された

2代目N-BOXは直列3気筒自然吸気エンジン(普通のエンジン)とターボエンジンの2種類を用意していますが、それぞれ特徴があります。まず自然吸気エンジンには、軽乗用車初となるホンダのエンジン技術「VTEC」が搭載されました。この技術によって発進から高速まで爽快な加速性能と優れた燃費性能を両立しています。ちなみに「VTEC」(ブイテック)とはクルマ好きには知られたホンダが誇るエンジン技術です。そのむかしVTECエンジンに乗っていた走り屋出身の筆者は軽自動車にVTECと聞いただけで、なんと贅沢な!と涙が出ます(?)。その自然吸気エンジンは最高出力43kW(58ps)、最大トルク65Nmを発生します。

クルマ好きが泣いて喜ぶ「VTEC」「電動ウェイストゲート」を採用②

ターボエンジンには軽乗用車初となる「電動ウェイストゲート」が装着された

一方のターボエンジンは軽乗用車初の技術として、過給圧を最適にコントロールする「電動ウェイストゲート」を採用しました。これまた走り屋の筆者としては驚きを隠せません。一般の方には馴染みのないこの技術も贅沢なものだからです。これによってパワーを発生する際のターボの過給圧を任意に調整できるので、低燃費化やアクセルを踏んだ時の反応の良さに効果があります。その結果、ターボエンジンの最高出力は64ps、最大トルクは104Nmを発揮します。

気になる燃費性能ですが、JC08モード燃費で自然吸気エンジンの2WD車が27.0km/L、4WD車は24.2~25.4km/L。ターボ車の2WD車は25.0~25.6km/L。4WD車は23.0~23.4km/Lを良好な数値を実現しています。駆動方式を問わず、ミッションはCVTが組み合わされ全車がエコカー減税の対象車となっています。

一気に先頭に躍り出た「先進安全運転支援システム」

ここまで2代目N-BOXがいかに力作かを書いてきましたが、最も注目したいポイントは非常に進化した安全性能です。ホンダの軽自動車としてはじめて「ホンダセンシング」を全車に標準装備しています。ホンダセンシングは単眼カメラとミリ波レーダー、そしてコーナーセンサーによって10の先進安全運転支援システムを実現し、さまざまなシーンでドライバーをサポートしてくれます。

ホンダセンシングの代表的な機能として挙げられるのが、車両や歩行者を検知して衝突の危険性があるときに自動でブレーキをかける「衝突軽減ブレーキ」でしょう。また前後に障害物があるときに誤ってペダル操作したときに急発進を防止する「誤発進抑制機能」、先行車や対向車を検知してヘッドライトのハイ/ロービームを自動的に切り替える「オートハイビーム」、そして軽自動車としてはじめて高速道路などで先行車に追従して走行できる「アダプティブクルーズコントロール」まで装備しました。

先進安全運転支援システムの部分では軽自動車のみならず国産車全体でもトップクラスに躍り出ました。しかも全車標準装備にしたことは控えめに言っても賞賛に値します。

ノーマルとカスタムの二本立ては変わらず

ノーマルとカスタムの二本立ては変わらず①

男性ユーザー受けする力強いフロント周りがカスタムの変わらぬ特徴

ノーマルとカスタムの二本立ては変わらず②

リアスタイルもノーマルモデルとはライトやバンパーデザインが大きく異なる

2代目N-BOXは先代モデルと同様にプレーンなN-BOXと、メッキパーツを多用しクールさが特徴のN-BOXカスタムの2種類が用意されています。初代で男性ユーザーから支持されたカスタムとノーマルモデルでは見た目だけでなくインテリアの色使いも大きく異なります。

ノーマルとカスタムの二本立ては変わらず③

黒が支配するカスタムのダッシュボード

ノーマルとカスタムの二本立ては変わらず④

ノーマルモデルは柔らかな色使いが特徴

両車とも全体の印象は好評だった初代を踏襲していますが、やや柔らかみを増し、また細かい部分の質感はけっこう上がっています。ボディカラーはN-BOXはモノトーンカラーが10色、ツートンカラーを4色設定。N-BOXカスタムはモノトーンカラーが7色、ツートンカラーは5色と、どちらも多彩なバリエーション展開です。

助手席が大きくスライドする新機能を採用

助手席が大きくスライドする新機能を採用

インテリアに目を向けると助手席に57cmというロングスライドが可能で多彩な使い方が魅力の「スーパースライドシート」が新採用されました。上の写真のように後ろにスライドさせたり、逆に前にスライドさせることで、後席へのアクセスがしやすくなります。

助手席が大きくスライドする新機能を採用②

助手席が大きくスライドする新機能を採用③

リアシートはN-BOXの特徴である座面を上げられる「チップアップ機構」に加えてスライド機能も装備。

助手席が大きくスライドする新機能を採用④

助手席が大きくスライドする新機能を採用⑤

さらに背もたれを倒すだけで大きな荷室に早替わりする「ダイブダウン」機構も備わっています。

快適装備では全車フルオートエアコンを装備し、一部グレードには空気清浄や脱臭機能のある「プラズマクラスター機能」も内蔵しています。日焼けや肌のシミの原因となる紫外線そして不快な暑さの原因となる赤外線(IR)をカットする360度スーパーUV・IRカットパッケージを用意されています。

助手席が大きくスライドする新機能を採用⑥

ホンダ車とは思えない乗り心地

気になるその走りですが、N-BOXとN-BOXカスタムでの違いはありません。一見、N-BOXカスタムがスポーティな味付けと思われるかもしれませんが、同じ仕様となっています。N-BOXの乗り味は搭載するエンジン(ターボ付きか否か)によって異なります。

ターボ無しの自然吸気エンジンを搭載したG、G・L、G・EXは従来のN-BOXを含むホンダ車とは一味違うソフトな乗り味が特徴です。一方のパワフルなターボエンジンを搭載したG・Lターボ、G-EXターボはソフトな乗り味の中にしっかりとした安定感があります。パワーのあるエンジンで加速しても前後左右の揺れが非常に抑えられており、不安感がありません。

N-BOXのリアサスペンションには安心感とソフトな乗り味をもたらす装備が採用されています。今までホンダ車は乗り心地が固め(というより小さな段差で揺れる)という印象を覆す乗り味です。
■N-BOX価格表

グレード駆動方式JC08モード燃費(km/L)車両本体価格(東京)
N-BOX G・EXターボ ホンダセンシング4WD23.4188万280円
2WD25.6174万9600円
N-BOX G・Lターボ ホンダセンシング4WD23.4182万6280円
2WD25.6169万5600円
N-BOX G・EX ホンダセンシング4WD24.2172万6920円
2WD27159万6240円
N-BOX G・L ホンダセンシング4WD25.4162万9270円
2WD27149万9040円
N-BOX G  ホンダセンシング4WD25.4151万6320円
2WD27138万5640円

 

■N-BOXカスタム価格表

グレード駆動方式JC08モード燃費(km/L)車両本体価格(東京)
N-BOXカスタム G・EXターボ ホンダセンシング4WD23208万80円
2WD25194万9400円
N-BOXカスタム G・Lターボ ホンダセンシング4WD23202万6080円
2WD25189万5400円
N-BOXカスタム G・EX ホンダセンシング4WD24.2188万3520円
2WD27175万2840円
N-BOXカスタム G・L ホンダセンシング 4WD25.4182万9520円
2WD27169万8840円

 

N-BOXのグレード構成はベンチシート仕様がG、G・L、G・Lターボ。スーパースライドシート仕様がG・EX、G-EXターボの5種類。N-BOXカスタムはベンチシート仕様のG・L、G・Lターボ。スーパースライドシート仕様のG・EX、G・EXターボの4種類。合計9グレードとなっています。車両本体価格はN-BOXが138万5640円~188万280円。N-BOXカスタムは169万8840円~208万80円です。

充実のモデルチェンジで快進撃は続く

ベストセラーにふさわしい充実のモデルチェンジを行なったN-BOX。見た目はあまり変わりませんが、中身は一新されました。特に先進安全運転支援システムについては素晴らしい進化を遂げています。N-BOXの快進撃はまだまだ続きそうです。

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※記事の内容は2017年10月時点の情報で執筆しています。

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